「固定残業代」導入企業における求人票作成上の留意点

 中小企業では、人材募集にハローワークを活用するところが多くありますが、求人票の記載について、2014年4月14日、厚生労働省職業安定局より各都道府県労働局職業安定部長あてに「求人票における固定残業代等の適切な記入の徹底について」という事務連絡が発出されました。その内容は、@ハローワークインターネットサービスに公開されている求人に、固定残業代に関する不適切な記載事例が多数見られたこと、ついては、A不適切な記載がなされているものについては、当該事業主に対し労働条件の明示について丁寧に説明するとともに、早急に是正を求めること、というものです。

 同文書では、以下の通り「求人票の適切な記入」「『固定残業代』等の不適切な記載事例について」として、それぞれ具体例を掲げていますので、企業様においては、これらを踏まえて適切に労働条件の内容が明示された求人票を記載する必要があります。

 

求人票の適切な記入

(「求人票における固定残業代等の適切な記入の徹底について」より抜粋)

求人申込時の賃金条件として「固定残業代」等が含まれる場合には、以下に留意し取り扱うこと。

(1)「b 定額的に支払われる手当」欄に「固定残業代」等を記入する場合は、「c その他の手当等付記事項」欄に、「時間外手当は時間外労働の有無にかかわらず固定残業代として支給し、○時間を超える時間外労働分は追加で支給」などのように「固定残業代」等が時間外労働の有無にかかわらず固定的に支給されるものであることと、超過分が追加で支給されることを明記すること。

(2)時間外手当の名称にかかわらず、それが残業の有無にかかわらず固定的に支払われるものでない場合は、「c その他の手当等付記事項」欄に記入すること。

 

「固定残業代」等の不適切な記載事例について

(「求人票における固定残業代等の適切な記入の徹底について」別紙)

類型1 固定残業代が何時間分であるか記載されていない。また、超過した場合に別途支給する旨も記載されていない。

 派生型1:固定残業代の時間数は面接時に説明するとしている。

 派生型2:固定残業代は各人ごとに設定するとしている。

 派生型3:固定残業代に時間外及び深夜手当を含めるとしている。

 派生型4:固定休日出勤手当(○日分)を支給するとしている。

類型2 固定残業代が何時間分か記載されているが、超過した場合に別途支給する旨が記載されていない。

 派生型1:一定時間以下でも支給される旨「のみ」が記載されている。

 派生型2:××手当と△△手当を合わせて固定残業代(○○時間分)としている。

類型3 超過した場合に別途支給する旨は記載されているが、固定残業代が何時間分か記載されていない。

類型4 基本給(a欄)の中に固定残業代も含めて記載されている。

 派生型:基本給に固定残業代が含まれることがあると記載されている。

類型5 ○○手当として別個の手当と固定残業代が一括して記載されており、それぞれの内訳が記載されていない。

その他   

・「求人条件に係る特記事項」欄に「固定残業」の時間が記載されているのみで、手当があるか否かが記載されていない。

・「固定残業時間(○○時間)以外に時間外勤務がある」など、恒常的な残業時間が○○時間あるのか、いわゆる固定残業代が○○時間分なのか、不明確な記載となっている。

・毎週土曜日の休日出勤(9時〜13時)を固定残業代で支給するとしている。

・固定残業超過分や早退分は、翌月25日相殺になるとしている。